北京　上海　重慶　天津

北京

中国の首都である北京は、文化、観光の中心でもあり、中国の新旧の良さを味わうことができる。最初に、誰もが訪れるのが国の象徴ともいえる天安門とその前に広がる天安門広場。この広場に立つと「中国に来た」という実感が沸くという観光客が多い。広場には日本の国会議事堂にあたる人民大会堂や毛主席記念堂、正陽門、中国歴史博物館、中国革命博物館などが並ぶ。天安門を抜けると故宮博物院に出る。かつての明、清の王朝時代に建てられた美しい紫禁城がそのまま博物館となっており、五百年以上前の建築物とは思えぬほどの華麗さである。
故宮の裏手には市街で最も高い景山公園がある。市内には景山公園のほかにも、緑に恵まれた中国の歴史と深いかかわりのあるものも多い。景山公園の西には歴代王朝の御園だった北海公園がある。緑の島の頂上にそびえる白塔が美しい。
市の南には、緑に囲まれた由緒ある天壇公園がある。明や清の歴代の皇帝はこの地で天に五穀豊穣を祈ったそうだ。またさまざまな宗派の由緒ある寺院がある。ラマ教新派の寺院で美しいたたずまい雍和宮、東四南大街の西に面したイスラム教寺院の東西清真寺、市の南西にある唐代に建立された仏教の古刹、法源寺、法源寺の西にある古くて大きいイスラム教寺院の牛街清真寺、キリスト教の宣武門内天主堂、道教建築の白雲観など枚挙にいとまがない。
さらに北京郊外では西北に北京で最大であり、清朝の歴史と深いかかわりのあった公園、颐和園がある。明の十三陵は明代十三人の皇帝の陵墓である。北京の西南50キロにある周口店は歴史の教科書にも出てくる北京原人の骨が発見されたところ。

北京観光の中心は故宮である。景山公園の頂上からながめると下方に見える故宮は、14年の歳月をかけて建造され２４人の皇帝が住んだ。これらをじっくり見てまわるとしたら、たっぷり1週間はかかる。

胡同
北京の胡同は、一説には三千はあるという。各々に昔住んでいた人々の職業や役職などにちなんで名前がつけられている。政府の役人がいたとみられる「北官房胡同」、ハサミを作る職人がいた「中剪子巷胡同」など。くすんだ色合いのしっくいの塀と壁、どっしりとして丸味を持った破風の屋根とかわら。左右に魔よけの鎮石を置いた門構えに、少し高い位置にある窓。それらは春の陽光を受けると、独特の風格をみせてくれる。横丁の道幅は2,3ｍで車が１台通れるぐらいだが、胡同にまで自動車が入ってくることはめったにない。観光バスに乗って表通りを通っただけでは、胡同の活気ある暮らしぶりは見られないのである。

故宮
北京市街の中心に位置する宏大な故宮は、明・清二代の皇宮で紫禁城とも呼ばれ、15年の歳月と延べ20万人以上の労働力を駆使して明代の永楽18年に落成し、その後改築や再建を重ねて今日に至っています。中央の大和殿は中国最大の木造建物です。天安門から入ると、東西700m、南北1,000m（面積72万平方メートル）の中に建物の数は700余り、部屋数は9,000をこえ、所蔵は100万点にもおよぶといわれます。前部(外朝)は太和殿・中和殿・保和殿の三大殿を中心とし、ここで国家の重要な式典がとり行われました。
太和殿は、中国三大建築の筆頭ですが(他に曲阜・孔廟の大成殿、泰山・岱廟の天贶殿がある)、その豪華さは群を抜いています。内廷は後三宮と呼ばれる乾清宮、交泰殿、坤寧殿があり、その東西には后妃の住む6つの宮殿ー後宮が連なっていました。明・清あわせて25人の皇帝が政務を執り、皇族達の絢燗豪華な生活がくりひろげられた場所です。

現在、故宮博物院には、新石器時代の出土品から清朝までの芸術工芸品が2,OOO点余り陳列されています。金細工、玉器、青鋼器、漆器、錦織り、などが一堂に集められており、長い歴史と文化の遺産に感動することでしょう。

儀式用の楽器（＜）、皇后の宝冠（＜）、象牙製の龍船（＜）、
皇帝の結婚用寝室（＜）、仏塔（＜）、天球瓶（＜）

王府井
北京の現代を伝えるメインストリートです。６階建てのデパート百貨大楼や東風広場では、北京ならではの買物が楽しめます。書画骨董、硯、石刷りなどの工芸美術品なら、「北京市工芸美術服務部門市部」や「北京美術品廠」に豊富にあります。中央紙として最も権威のある人民日報本社や、中国人民銀行があるのもこの通りです。

琉璃廠（書画、骨とう品の店が軒を並べる街）
13世紀から17世紀にかけて栄えた元、明両代の宮殿に使う琉璃瓦を焼くかまどが集まっていたことに由来する。かまどの方は徐々にさびれていったが、清朝の時代になって、四代乾隆帝が学者をここに集めて四庫全書を編さんさせたのがきっかけとなり、各地の文人が琉璃廠に住みつくようになった。その後、国共内戦や文化大革命によってこの街もさびれていったが、周恩来の遺志によって1979年から再建工事が始まり昔ながらの街並みがよみがえってきた。

天壇公園
老柏樹に囲まれた静かな公園です。「皇帝の祭壇」として、歴代皇帝が五穀豊穣を天に祈ったところ。

頤和園
清朝の「夏の離宮」の一部。万寿山と昆明湖からなる北京最大の公園です。

明の十三陵
明朝の13人の皇帝の陵墓。参道には、甲冑姿の武官や石獣たちがずらりと並んでいます。

上海

中国の玄関、上海は、長江が黄浦江と合流して海にそそぐ地帯にある世界屈指の大都会です。また、上海は歴史の荒波にもまれながら成長してきた町で､今もなお“租界文化"の名残をとどめる異国的な風情が漂っている。近代的なビルやかつての外国人居留地を中心に建てられた欧風の建物が混然と立ち並び、人びとの表情もどこか開放的、現代中国の最先端を行く街です。女性の服装やヘアスタイルなどのファッションも上海から生まれるといわれます。

昔、上海は漁村であり13世紀南宋末期には鎮に、元代に至り県となりました。1840年のアヘン戦争以後1949年５月27日に人民解放軍によって解放されるまで、およそ１世紀の間上海は中国自身の手の届かない特別区でした。

北京が政治、文化、観光の中心地なら上海は経済の街です。中国内でも上海製の工業製品、服装は圧倒的な人気があるという。ファッション感覚にも優れた都市で、北京、西安よりも新しい中国にふれあえる機会は多い。「中国二千年の歴史を知りたければ西安へ、千年の歴史なら北京へ、そして百年の歴史なら上海へ」と言われるほど新鮮味あふれる街なのです。

いずれにしろ上海では、観光客が記念に残るみやげものを買うにはこと欠かないバラエティーに富んだ店が数多くあります。時間の許す限りいろんな店をのぞき、現代の中国の息吹を感じとるのも上海ならではの過ごし方でしょう。買いものやそぞろ歩きにあきたら黄浦江の遊覧船に乗るのもいい。上海博物館や上海動物園、虹口公園(魯迅公園)などもある。

南京路
南京路は、黄浦江岸から静安古寺まで東西5キロにわたり上海市の中心部をつらぬく大通りです。ホテル、デパート、映画館、宝石商、雑貨店など様々な商店が350店も軒をつらね、昼夜を問わず観光客でにぎわっています。人びとの憩いの場、入民公園があるのもこの通りです。

南京西路には上海景徳鎮芸術瓷器服務部、向陽児童商店、上海児童食品商店、少年児童書店、上海友誼商店古玩分店、上海工芸美術品服務部、北京翠文斎などがずらりと並ぶ。

南京東路（波止場通りの角から西へ河南中路と交差するまで）は約1.5キロと西路より短いが、にぎやかさでは負けていない。東路の始まりは上海市第一百貨商店。中国最大級の百貨店だが、その混雑ぶりは相当なもの。上海市第一食品商店は中国最大の食品専門店。上海绸緞商店はシルクの店。国華盗器商店は陶器の専門店。張小泉刀剪商店は刃物を扱う。朶雲軒は書画用品の専門店。蔡同徳薬店は日本人にも興昧深い漢方薬の専門店である。さらに東路には光明茶葉店、上海戯劇服装門市部、中国郵票公司上海分公司、紅風金筆商店、上海体育用品商店、朋街女子服装商店、民族楽器一廠服務部などの店が続いている。南京路近辺にも上海友誼商店や上海工業展覧館、上海文物商店などの魅力ある店がある。

黄浦公園
南京路から黄浦江岸まで少し足をのばすと、黄浦公園があります。上海港を出入りする外国船や、大型船の間を帆走するジャンクが一望でき、モダンシティ上海の魅力が伝わってくる若者たちの広場です。また、外白渡橋近くの友誼商店には、各地方から取り寄せられた特産品がズラリと並び、長いの歴史と文化の香りが満喫できます。

王仏寺
笑みを浮かべた仏像が印象的な明代の禅寺。

豫園
77年かけて造園された、明代の名園。江南地方の庭園の特徴があらわれています。

虹口公園
上海博物館、魯迅の墓や記念館のある観光名所。

中国解放（1949年）前の1920年代、30年代には、外国資本の銀行が黄浦江沿いの外灘（通称バンド）に集中していた。最近、上海の金融界では、将来の金融化センタ－につながる金融改革の動きが続いている。また株式市場育成の方向も明らかになっている。しかし、本格的な株式市場を設立するには、大量の企業が株式を発行し、株式会社が国民経済の主要な組織とならねばならない。

▽上海は将来の金融センター

金融上海に支店を持つ外国銀行

・香港上海銀行(香港)

・チャータ-ード・バンク(英国)

・東亜銀行(香港)

・華僑銀行(シンガポール)

上海に駐在員事務所を持つ外国銀行

・東京銀行(日本)

・日本興業銀行(〃)

・三和銀行(〃)

・三井銀行(〃)

・東洋信託銀行(〃)

・富士銀行(〃)

・第一勧業銀行(〃)

・三菱銀行(〃)

・住友銀行(〃)

・日本長期信用銀行(〃)

・東海銀行(〃)

・大和銀行(〃)

・バンク・ナショナル・ド・パリ(フランス)

・ソシエテ・ジェネラル(〃)

・バンク・パリバ(〃)

・バンク・インドスエズ(〃)

・クレディ・リヨネ(〃)

・バンク・オブ・アメリカ(米国)

・シティ・バンク(〃)

・マニュファクチュラース・ハノーバー・トラスト(〃)

・ ゴタ・バンク(スウェーデン)

重慶

四川省最大の都市で、西南地方の文化の中心地です。長江と嘉陵江の合流点にあり、日中戦争で蒋介石が臨時首都を置いたところです。1945年に共産党と国民党の間で重慶交渉が行われたことでも有名です。重慶に毛沢東がやってきて、中国統一のための直談判をしました。その時の建物は紅岩革命博物館になっています。

天津

天津市は首都北京の東南約140キロに位置し、１３区５県を管轄している貿易、経済、工業を中心とした大都市です。また、中国の東北、西北、華東および中南地区を結ぶ要衝の地でもあります。

昔から貿易が盛んで、渤海にのぞむ中国北部最大の対外貿易港天津港は北京の海の玄関として重要な位置を占めています。天津市の中央を大河が流れ、これに支流、運河がつながり水利が発達しているなど交通の要衝でもあります。

また、天津は、京劇、昆劇、曲芸などの各地方劇の発祥地といわれ、中国古典形式の舞台が天津戯劇博物館に現存する文化歴史のある町でもあります。

気候は四季の区分がはっきりしており、夏は炎暑が続き、冬は寒冷で乾燥します。